【風友は1歳4ヶ月と9日】

最近のあたしがすごく幸せに感じる瞬間。

それは、
胸に抱いた風友が、あたしを見上げて微笑んだ時。

「…かざちゃん？」

…例えばそれは、今日の午後。

時は限りなくゆっくりと流れて、
あたしたちを包む、部屋の空気までもが優しい…。

その瞬間は、いつもこんな時に訪れる。

「かざちゃん、どうしたの？」

…ふいに、
おとなしく胸に抱かれていた風友があたしを見上げた。

その素直な目は、確かめるかのように真っ直ぐにあたしを見つめている。

…そして、やがてあたしの顔がほころぶのを見届けると、

その両目は、すべてを包むような微笑みのひとかけらへと変わっていった。

「…かざちゃん…」

…なんとゆう微笑みをするんだろう。

あたしは、身ひとつにされてしまったかのような衝撃を覚えた。

結んだ口元は何も語らないのに、
この微笑みには、間違いなくこの子の心が溢れている。

…そう。
この子は、こんなにも真っ直ぐにあたしを慕ってくれているんだ…。

あたしは涙が出そうになった。

「ママが好きなんだね、かざちゃん…」

顔を近づけると、風友は照れたようにあたしの胸に顔をうずめた。

そして、またあたしを見上げて微笑む。

何度も、何度も。

「大好き、かざちゃん…☆」

言いながら、あたしは思った。

…若い頃は、好きな異性を想う気持ちがすべてだと感じていた事もあったけれど、

結婚をして、風友に出会って、
こんなにも、限りない愛情があるんだと知ったんだ。

あたしはこれからもママとして、
もっとたくさんの感動に出会い、いろいろな事に気づいてゆける。

『風友、ありがとう…』

それはもちろんあたしと風友だけじゃない。

世界中のママと子供が、いつだって幸せな両想い☆

…惜しまず愛情を、注いであげたいですよね…！☆