2011. 10/07 (金)
救急車を呼んだ日
【風友は3歳11ヶ月・暁希は1歳8ヶ月と20日】
昨日は、暁希が熱性けいれんをおこし、
救急車を呼んでしまいました。
…昼の1時過ぎ。
お昼寝から起きた暁希がおっぱいを欲しがり、
窓からのあたたかい陽だまりの中で、
ゆっくりと授乳をしていると、
暁希が…、とても熱いんです。
…体温を計ったら、40.3度。
朝も39度あったけれど、9時半頃に座薬を入れたのに…。
…熱に浮かされているのか、
それでも、暁希は機嫌良さそうにしているけれど、
目がやっぱり、力無い…。
…かかりつけの小児科は休みだけど、救急で行った方がいいかな…と、
あたしは急いで携帯を取りに行って、戻りました。
すると…、
ふとんに横たわる暁希が、目だけで上を見始めたと思うと、
見る間に白目を露わにして、
体をピクピクと震わせ始めたんです。
「…暁希!?」
…けいれんだ!
…すぐに、事態は飲み込めました。
でも…、
「暁希…、暁希……大丈夫だからね、大丈夫だからね…!」
でも、
声をかけるだけで、
どうすればいいのかが解らないんです。
…あたしは考えるより先に、119番に電話をしました。
救急車を呼ぶ事態なのか…と、
ほんの一瞬ためらったけれど、
黒目の下半分だけが瞼から覗き、
表情なく、人形のようにガクガクとけいれんする暁希を、
何もせず見ているなんて、
怖くて、とても出来なかった。
「…救急です!住所は…!」
…早く来て、助けて欲しくて、
消防の方からの質問の語尾を打ち消すような勢いで、
ハッキリと、ひとつひとつ質問に答えた。
最後にこちらから、
「熱が高くて、けいれんしているんです!」
と告げた。
祈るように見守る中、
暁希は、泡を吹き始めていた。
『救急車、すぐ行きますからね』
今ばかりは、
本当に、早く来て欲しいと思った。
…電話を切ると、
まず、玄関の鍵を開けなきゃと思った。
暁希を一人にはとても出来なかったので、
「ごめんね…玄関の鍵開けなきゃね…抱っこするよ?」
体を動かしていいのか解らなかったけれど、
けいれんする暁希をそっと抱き上げて、階段を下りた。
玄関の鍵を開けて、
暁希をホールに横たえる。
暁希は、いつもの面影が失われたまま、
体全体を強ばらせて、
呼吸が止まってしまうのではないかとゆうくらい強くけいれんしていた。
…喉に何かが詰まって窒息するのではないかと思い、
ぐっと、前歯の間に指を入れて歯をこじあけた。
顔を横にすると、
泡状のよだれが大量に流れ出る。
白目をむく暁希の表情は蒼白で、
呼びかけにも応じないその姿に、
もしかしたらこのまま、
暁希が連れて行かれちゃうのではないかと思った。
「暁希…暁希…!」
すると一瞬、
暁希の動きが完全に止まったように見えて、
あたしは、
感じた事のない不安に崩れ落ちた。
何も出来なくて、ただただ名前を呼んだ。
「暁希…、…あかつき!!!」
とても怖かった。
とてもとても長い時間だった。
…すると、
暁希の瞼が静かに閉じた。
やがてけいれんも静かになり、
思わずあたしは、暁希の心臓に耳をつけて鼓動を確かめた。
噛んでいたあたしの人差し指を、暁希は静かに吸い始める。
2度3度吸うと、
眠ったようになった。
あたしは、
人差し指をそっと、暁希の口から離すと、
遠くから聞こえ始めた救急車のサイレンに、
静かに我にかえった。
…発作は、これで収まったのですが、
熱性けいれんの経過が解らなかったあたしは、
状態が落ち着いても、不安でいっぱいでした。
…その後は玄関先で、救急隊員による体温と酸素濃度の測定があり、
救急車に乗って、総合病院に搬送されました。
初めて乗る救急車は、とても揺れて、
先ほどまでのストレスのせいか、
めまいがして、少し酔いました。
…暁希はストレッチャーに乗り、
救急車の中をぼうっと見回していました。
「…呼びかけに応じますか?」
隊員の方に言われて、暁希に声掛けをしましたが、
暁希はその時は、応えませんでした…。
…総合病院での処置は、けいれん止めの座薬だけでした。
始めはそれこそ、
『入院になるかも』
なんて考えていたのですが、
熱性けいれんは、
さほど、怖い発作ではないようです…。
1時間ほど病院で様子をみて、帰宅となりました。
父と母に迎えに来てもらうと、
暁希は車で、またすぐに眠りました。
家では、旦那さんが待っていてくれました。
救急車の中から電話をしたのですが、
その後、すぐに帰って来てくれたようです。
…熱性けいれんについての知識です。
知識がないために、
今回、あたしは救急車を呼んでしまいましたが、
それは、少しばかり早合点でした。
【熱性けいれん】
■生後6ヶ月〜5歳くらいまでの子供が、急な発熱に伴う体温上昇時に、全身のひきつけを起こすこと。
■子供の15〜20人に1人くらいに見られる
■けいれんは1〜2分で終わる事が多く、生命の危険が起こることはほとんどない
■けいれんが起きたら、寝かせて衣服をゆるめ、吐いたものやつばが喉に詰まらないよう顔を横に向ける
■けいれん中に体を叩いたり、口に物をかませたりする必要はない(舌を噛むことはあまり心配ない)
口に物を噛ませると、かえって窒息の原因になり危険になる
■けいれんは通常1〜2分が多いが、5〜10分以上続く場合や、2回以上続く場合はすぐに病院に連れていくか、救急車を呼ぶ
■熱性けいれんを起こした子供の半数以上は1回だけのけいれんで再発はない。
3分の1程度の子供に再発が見られるが、3回以上の再発は滅多にない。
■熱性けいれんでの後遺症は生じない
■けいれん後の各種予防接種は、医師の判断によるが、1〜3ヵ月間空けてからの接種にすることが望ましい
…だそうです。
(あたし…、してはいけない事ばかりしていましたね…)
けいれんの発作が起こっている時に、親に出来ることは、
様子を詳しく見ること、なんだそうです…。
けいれんの時間を計ることはとても重要で、
(長いと良くない)
けいれんの動きが左右対称かどうかも、
脳に異常かあるかの、重要な所見になるようです。
また、けいれんの発作が落ち着いた後は、
すみやかにかかりつけの小児科や緊急病院に連絡をして、処置を仰ぐといいようです。
(すぐに来るようにと言われる場合もある)
…愛する我が子が、意識なく苦しむさまを、
見ているだけで、何も出来ないなんて。
たかが熱性けいれんですが、
それはとてもとても辛いものだと、初めて実感しました。
…暁希が無事で、本当に良かった。
昨夜も夜中に40度近い熱が出ましたが、
今朝には熱が下がり、元気になりました…。
…あんな可哀想な姿は、もう二度と見たくありません。
(エクソシストみたいでした…)
↑ひどい…。
暁希が死んでしまうのかと、
本当に、怖かったんです。
手洗い、うがい、
当たり前の事をもう一度見直して、
暁希と風友を、守ってあげなければと思いました。
あたしと暁希の体験が、
もしもの時に、
少しでも、皆さまの役に立てますように…!
Posted by anan at 17:28
