|
|
2. ピュッチがおなかにいる、最後の日 同日夕方。 朝に感じていた腹痛が一段落してしまい、 あたしは陣痛をおこすため、 母と旦那さんと一緒に、ついこの間も行った人工の山がある隣町の公園に出かけた。 …すると、 帰りに立ち寄ったパスタ屋で、 何やらおなかの張りが定期的に来ていることに気付く。 一緒に居た母と旦那さんは、 「それ陣痛だよ!」 と、せかすけれど、 なんだろう…。 あたしにはそうは思えない…。 …だって、確かに定期的に20秒間くらい張りはするけど、 全然、痛くないんだもん…。 陣痛って、 張りが来て、同時におなかも痛くなるんだよね? 今となっては、 朝に感じた生理痛のような腹痛の方が、ずっと陣痛ぽく感じたかな…。 …でももしかしたら、これが『前駆陣痛』なのかも…。 なんて考えながら、 そのまま母と一緒に夕飯の買い物をして実家に向かう。 …けれど、 その後も定期的なおなかの張りは続き、 夜8時頃には、ピッタリと10分間隔になっていた。 同じく実家で夕飯を食べていた妹夫婦も一緒に、 皆で、 「産院に電話したほうがいい」 とか、 「もう少し様子をみた方がいいかもよ」 と、意見を出し合う。 議論した結果、 21時過ぎにあたしは産院に電話を入れた。 おなかはまだあまり痛くないけど、 張りが来ていることは事実だし、 『今すぐ入院して下さい!』 なんて言われるかな…? と、思っていたら、 助産婦さんいわく、 「痛みが強くなったら来て下さい」 とのこと…。 …そうだよね。 もう少し、様子を見よう。。 アパートに戻り、 あたしは入院用の荷物を再確認する。 ―そして夜11時過ぎ。 この時あたりから、腹痛が強くなりだした。 あたしはソッコーでシャワーをあび、 とりあえずフトンに入る。 張りと同時に襲ってくる痛みはだんだんと強くなる。 間隔は7分くらい、 持続時間は30秒といったところ。 どうしよう…。 やっぱりこれ、陣痛かも…。 産院にまた電話してみようかな? でも…また同じことを言われたら? あぁ…でも、…痛い…! となりではせっかく旦那さんが寝付いたばかりだから、 ギリギリまで、起こすのはやめておきたい…。 そうだ、寝てしまおう、 寝てしまおう…。 朝の5時くらいまでガマンして、 産院に電話すればいいや。 …あたしは目を閉じて、体をまるめておなかをかばった。 けれど…痛みでなかなか眠れない…。 ―どのくらい経ったのだろうか。 眠気でぼうっとしながら、痛みをじらすため寝返りをうつ。 …すると、 「…痛いの!?」 旦那さんが頭を浮かせてあたしを見る。 「うん…」 あたしは産院に電話をすることにした。 痛みが強いことを告げると、今から来るように言われる。 …いよいよだ。 ―夜中の2時。 あたしと旦那さんと母で産院に向かう。 痛みの程度は、普段より強めの生理痛といった感じ。 …これから、どのくらい痛くなるんだろう。 …そしてあと何時間したら、ピュッチに会えるんだろう。 未知なる出産への不安を抱えながら、 あたしは自分に言い聞かせる。 ピュッチと一緒に頑張るんだ。 もうすぐ、もうすぐ会えるんだよ。 ピュッチのためなら、 あたしは、どんな痛みにも耐えられるはず! 次へ>> |





