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3. 入院 ―夜9時過ぎ。 モニターの結果から入院が決まり、あたしは陣痛室に案内された。 次にこの部屋を出る時は、分娩台に乗る時なのかな…。 …陣痛は、約6分間隔。 それなりに痛かったけれど、 痛みはまだまだ強い生理痛のような感じで、陣痛とはほど遠い。 「では、これに着替えてくださいね」 あたしはAさんから着替えを受け取ると、 指示通り下着(内診し易いようになっている!)を替え、ブラジャーも外し、手渡された分娩着に着替えた。 …陣痛室のベッドは2つ。 風友の時にあたしが使っていたもう片方のベッドには…、 今は誰もいないみたい。 なんだかやけに静かで落ち着かないけれど、 頭は、不思議と冷静だった。 静寂を紛らわすために、母親教室で貰った冊子をパラパラと眺める。 …ふと、チュッちゃんが、痛みの中で小さく動いた。 あたしは冊子を閉じて、チュッちゃんに話しかける。 「チュッちゃん…頑張ろうね…」 これから来る痛みを乗り越えれば、チュッちゃんに会えるんだ。 頑張らなきゃ…! あたしはなんだか、 この2回目のお産が意外と簡単に乗り切れそうだと思い始めていた。 そして…、Aさんに陣痛室の明かりを落としてもらうと、 目をつぶり、出来るだけ体を休めることにした。 …寂しくて、 携帯の中の風友の写真を何度も眺めては目を閉じる。 今頃、どうしてるのかな…。 …あたしの手は、風友のぬくもりを探した後、 ここに、もう一人の愛する我が子を見つけて、落ち着いた。 こうしてお腹を撫でながら、 また来る陣痛をやり過ごす。 始めは陣痛のたびに意識が戻って、なかなか眠れなかったけれど…、 そうこうしながら目を閉じているうちに、 あたしは、いつしか眠りに落ちていった…。 次へ>> |





